HACCPを効果的に導入して衛生管理を行いたいのであれば全スタッフの協力が不可欠です。この手法ではあらゆる危害要因による健康被害を分析した上で、全ての工程と製品を対象とした徹底的な衛生管理が行われます。一部ではなく工場内のあらゆる工程と全ての製品が対象となるためスタッフの協力を得なければなりません。的確な現状分析に基づいて計画を立案し工場全体で衛生管理を行います。
この手法を導入した食品工場では衛生環境が改善されるだけでなくスタッフの意識が向上します。以前の食品業界では出荷前に一部の製品を対象としたサンプル調査を行うのが一般的でした。サンプル調査は効率的ですが不良品を見逃して出荷する可能性があります。危険な細菌やウイルスが感染した製品を出荷して消費者が食べると吐き気や腹痛、下痢や発熱などの症状を引き起こします。
スタッフの髪の毛や衣服の切れ端などの異物が混入していただけでも大きな問題になります。食中毒が起きれば企業の信用力が大きく低下して売上も減少するので注意しなければなりません。HACCPを導入すればあらゆる危害要因について適切な安全対策を講じることになります。加熱や冷却など重要管理点では他の工程よりも厳格な基準を適用して、連続的かつ継続的な監視と記録を行います。
重要管理点とは健康被害の減少につながる工程のことです。全ての工程と製品を対象とした徹底的な衛生管理を行う点にHACCPの大きな特徴があります。HACCPを効果的に導入するとあらゆる危害要因から製品を守ることができます。
